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【技術】樹脂材への締結(インサートナット)

一般的に樹脂は成形しやすく形状の自由度の高い性質がありますが、近年では他の材料を添加させ、機械的な強度や温度・熱的物性、電気的な特性といった機能を高めたり、追加したりする開発も活発的に行われています。今回はそんな樹脂材への締結を可能にするインサートナットについてご案内します。

製品や使用条件の選定を総合的にサポート

選定にあたっては、相手物の使用条件に合わせた製品選択が必要になりますが、弊社には協力メーカー様を含めた総合的なサポート体制があります、以下のような声にお応えするべく体制を整えています。

 

・相手物にあったインサートナットを選びたい。
・最適な圧入条件を検討したいので、「インサートナットの強度試験」を行ってほしい。
・成型後・インサートナット後圧入済み製品の引き抜き・トルク試験を行いたい。
・インサートナットの同時成型の製品の引き抜き・トルク試験を行いたい。
・強度試験の結果を踏まえ、規格ではなくカスタム品の設計提案をお願いしたい。
※試験実施にあたり試験片の切断・分解する場合があります。

 

試験内容によっては無償でのご対応や試験数量・試験項目・ワーク形状によっては、事前見積にて対応いたします。ご要望がありましたら、HP問合せフォームまでご連絡ください。

樹脂の成形製品に使われ、幅広い業種に採用

インサートナットは樹脂材を原材とした成形製品に挿入し、雌ねじの役割を果たすナットです。車両や弱電、家電など幅広い業種に採用されています。

インサートナット

RoHS指令、ELV指令にも対応

主に黄銅のC3604BD、C6801BDを使用しています。RoHS指令(欧州有害物質使用制限指令)、ELV指令(欧州廃自動車規制)に対応した低カドミウム、低鉛材料を使用した製品を取り扱っています。

インサートナット

ローレット・ねじ形状・ねじ加工可能深さの違い

インサートナットの外周部にはローレットと呼ばれる細かい凹凸状の加工が施されています。ローレット形状には主にアヤメ、平目、斜めの3種類があり、相手の樹脂材への食い込み方に違いがあります。

またローレット加工の方法には、材料を盛り上げて加工する「転造加工」と刃物で削って加工する「切削加工」の2種類があります。転造加工では材料を盛り上げて加工するため、母材外径よりも太くなり、切削加工では材料を削って加工するため、太さは母材外径と同じに仕上がります。

さらに雌ねじの加工には、転造タップ/ロールタップによって下穴からねじ山を盛り上げる「転造加工」と、切削タップによって下穴を削ってねじ山を作る「切削加工」の2種類があります。転造加工は、下穴を塑性変形させてねじ山を加工するので切粉が出ないというメリットが、切削加工は、狙った寸法に削ってねじ山を加工するので、ねじ内径がより安定するというメリットがそれぞれあります。

袋ねじ形状では、雌ねじを加工できる長さはインサートナットの全長と雌ねじの呼び径によって変わります。一般的には、雌ねじの有効部長さは全長寸法に対してマイナス3mm程度に設定されていますが、雌ねじの呼び径が大きくなると、有効部の長さは短くなります。

インサートナットの選定ポイント

どの製品・どのサイズの製品が適しているのかは、ナットの挿入方法と相手物の使用条件によって異なります。ナット挿入・使用方法には同時成形(インサート成形)と後圧入(アウトサート)の2つがあり、相手物の使用条件としては、相手物(樹脂材)の種類、下穴径、長さ・深さ、使用条件(強度、環境)などがあります。弊社では協力メーカー様からの協力を仰ぎながら、最適な製品を選定します。

簡単操作で、安定した圧入を行うハンド式熱溶着機

後圧入用として、以下のハンド式熱溶着機もございます。いずれも操作が簡単な上に、圧入時の埋設条件を一定に保つことができますので、安定した圧入を行うことができます。こちらにつきましても、お気軽にHP問合せフォームまでご連絡ください。